この本から。
「資本論」と「金持ち父さん貧乏父さん」の2冊が
全く同じことを言っているというところから
資本主義の構造と労働者の状況について考察した本です。
特に、労働者の「給料」はどう決まるのか、
そしてどうすれば良いか、という話は
仕事をする人はみんな理解しておいた方が良い内容でしょう。
まず給料に関して、そもそもの仕組みとして2種類あります。
ひとつが利益分け前方式。
外資系や歩合制の会社・職種ですね。
倍の成果を出したら、給与も倍になるもの。
一方、ほとんどの日本企業では
必要経費方式が採用されています。
生活していく上で必要な額を
給与として支払うというもの。
「成果主義」を謳っていても、
倍の成果を出しても評価があがりはするものの
給料は他者より少し高くなるくらいなら、この必要経費方式です。
そして、この必要経費方式である以上
年収が1000万だろうが生活にゆとりはなくなります。
その給料をもらう人に必要な経費がそれと計算された上のことなので
額面が高くてもそれだけ生活にお金がかかるということですね。
一方で、商品の価値の決まり方について。
一般的には需要と供給のバランスで決まると考えられていますが
それとは別に、価値(原価のようなもの)の積み重ねが
その商品の価値となり、需給バランスはプラスアルファ程度だと。
そして労働力も商品である以上、
労働力の提供に必要な最低限の原価としての
衣食住分が給料のベースになるということです。
ただし、労働は誰もが同じことをするわけではなく
職務によって必要となる能力が必要になります。
例えば、荷物を倉庫内で移動するだけなら
健康な肉体があり指示をされれば誰でもできるので
必要な能力はそれほど高くありません。
一方で、病気の人を治療するには
医師免許が必要であり、それを取得するためには
多大なコストを払う必要があり、価値が高くなります。
つまり、高い給料を受け取ろうと思ったら
ベースとなる価値を上げる必要があります。
仕事をする上で、その場限りしか役にたたないような働き方をするのではなく
積み重ねになり、簡単には他の人が真似できないような能力を身につけるための
土台作りを意識して仕事をやっていくことが大切なんですね。
土台がないと、高い給料を取ろうと思うと毎回必死にジャンプするようなもので
かなり消耗してしまいますし、長くは続きません。
土台があると、その上で仕事をすることになるので手を伸ばせば高い給料にすぐ届きます。
おそらく、同じ仕事をしていてもこの土台作りを意識しているかどうかで
長いスパンで考えるとできあがる土台の高さには大きく差ができるでしょう。
そういう意味では、社会人になる早い時期で
読んでおきたい本ですね。
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