読書, 真面目に考える.

この本から。

書籍内では「最も抵抗の少ない道に流される」という表現だったのですが
本を読みながら自分でイメージした例えが
自分にとってしっくり来たのでメモ的に。

人は習慣の生き物で、自分で考えて判断して行動しているように見えて
ほとんどが習慣化されたルーティンを繰り返しているだけです。

習慣化したものは苦もなく行えます。
毎朝歯磨きをしている人は歯磨きが苦痛ではない。
同じように、毎朝5kmのランニングでも習慣化されていれば苦痛ではない。

一方で、現状では習慣化されていない
新しい理想の習慣を身につけようとした時に
多くの人が挫折をします。

ダイエットを心に決めたのに誘惑に負けてスイーツを食べた、
早起きにチャレンジしたけど数日で元に戻ってしまった、
資格試験の勉強を続けるはずだったのに毎日テレビを見てる、など。

そうなった時に「意志が弱い」と判断されがちです。
自分自身にもそういうネガティブな判断をしてしまうと
それを繰り返すことでそもそもチャレンジすることもできなくなってしまいます。

実際には、習慣の力というのは強力な本能的な部分であり
意志などという脆弱なものでは太刀打ちできるものではありません。
しかし、方法が無いわけではありません。

ここで習慣と行動を、板に入った溝とボール(パチンコ玉?)に例えて
イメージしてみました。

板は少し斜めになっていて、ボールが転がります。
板の端から端までボールが転がるのが1日。
転がるルートが結果的にとった行動。

板には時間帯などに応じていろんな溝が入っています。
板は安定しておらずフラフラ動くのでボールも影響されます。

毎日ボールが通る溝は徐々に溝が深くなっていきます。
深い溝を通るボールは安定していてその溝のルート通りを進みます。

「深い溝=習慣化されている行動」ということで
毎朝のルーティンだったり、家に帰ってからとる「いつもの行動」ですね。
帰ったらすぐテレビを付けてずっと見るなどというのは楽ということもあり深い溝になりやすい。

一方、習慣化されていない行動に関しては
溝が浅い、もしくはそもそも溝がなかったりします。

溝の無い道にボールを通そうとしても相当難しいです。
ちょっと油断すると、近くにある深い溝にカチっとハマって
いつものルートを転がっていきます。

こう考えると、新たな習慣を身につけようとして
上手くいかなかったとしても
「意志が弱い」とか「根性がない」とかではなく、「溝がない」のが理由です。

特定のルートにいつもボールを転がろうとしたら
溝を作るのが大事ということ。

ここで問題となるのが、
「どうやって未知のルートに溝を作るのか?」ということです。

ボールが通るところに溝ができていくなら
溝を作るならやっぱりボールを通すしかないじゃないかと。

実際、多大なエネルギーを使って溝なきルートにボールを繰り返し通して
少しずつ溝を作っていくことも可能ですが相当大変です。
そこで活用できるのが脳の仕組みです。

まず、脳の仕組みについて2つ重要な項目があります。

ひとつは書籍内の別の項目でも出ていたものですが
脳は特定の機能を使うとその部分が大きくなるというもの。
筋肉と同じようなものですね。

例として出ていたのがロンドンのタクシー運転手の話。
ロンドンの道路はニューヨークやワシントンのような碁盤の目になっておらず
迷路のような複雑な作りになっているため記憶力が常に必要となります。

そのロンドンのタクシー運転手の脳を調べたところ
一般の人に比べて明らかに脳の海馬(記憶をつかさどる機関)が
大きかったそうです。

もうひとつは別の本で見たことですが、
脳は現実と非現実を区別できないということ。

例として出ていたのがバスケットボールのフリースローの話。
複数人を下記の3グループに分けて実験を行いました。

・実際にフリースローを練習するグループ
・実際には身体を動かさず、イメトレだけをしたグループ
・練習も何もしなかったグループ

結果、精度が一番高まったのは実際に練習したグループ、
高まらなかったのは何も練習しなかったグループで、これは想定通りでしょう。

注目すべきはイメトレだけを行ったグループで
実際に練習したグループにわずかに劣るものの
かなり近い結果を残したというのです。

このことから、イメトレで脳を刺激することで
実際に脳の大きさ(機能)が成長するということ。

前述のメタファーで言えば
理想のルートをボールが通っている「イメージ」を繰り返すことで
溝ができあがるということです。

イメージであれば自分が集中して取り組めるタイミングで行えますし
繰り返し行うことも容易です。
つまり思い通りのルートに効率よく溝を作ることができるということです。

ビジネス書ではよく「頭に描いたことが現実になる」ということが書かれていて
なんとなく納得はした気になるものの
半信半疑な部分もありました。

しかし、このメタファーで言うと
「先にイメージで溝を作ってしまえば、現実でも理想的なルートを楽に通れる」
と考えると非常に納得です。

日々の習慣に限らず、
対人スキルなど「ひたすら練習」が難しいものでも
かなり効率よくできるようになるんじゃないかと。

実際に取る行動をイメージすると同時に
そのルートを通るボールが溝を深めていくこともイメージしたら
定着しやすいのかもしれません。

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