読書.

以前も尊敬する機能美としてホンダのフィットのことを書きましたが
今回は吉野家について。

吉野家の経済学」という本を読んで学んだものです。
ちなみに牛肉輸入禁止になる前に出版されたものです。

創業時から現在のような超有名企業に育つまでの数々の逸話が紹介されており
身近な存在でビジネスの成長を学べる良本です。
吉野家は一度倒産してるんですね。そこからの復活劇なども楽しめます。

かなり参考になることが多いのですがその中でも印象に残っている事を。

吉野家は一時かなり値下げをしていました。
それでも「早い」「安い」「うまい」を損なわないようになっていました。
もちろん利益もでしょう。

それは単に市場に出す価格を変えたわけではありません。
何をしたかというと、徹底的な効率化です。

ほんの少し値段を下げるなら部分的な効率化で賄えるかもしれませんが
大幅な値下げを実現するには輸入、工場からお客さんまでのラインを
根本的に考え直す必要があります。

キッチンの配置から鍋の大きさ、配送ルートや調理の手順も。
また、数百店舗で1万人にも及ぶ従業員にもその方法を徹底させる必要があります。

一部の店舗で様々な検証を続けながらデータを収集し、
それをマニュアル化して全店舗に出す。
お店の改築から従業員の教育までの大変更です。

気の遠くなるような作業ですがそれを吉野家は実現させました。
結果として消費者に安くておいしい牛丼を提供することができていたのです。

現場の裏に隠されたこれらの話を知って私は感動しました。
良い商品を安く提供するという商売の基本を吉野家は徹底していると思います。
こんなストイックな姿勢は大好きです。

牛肉の輸入禁止などで大変なことになりましたが
近い将来には以前のような姿を取り戻してくれるでしょう。
吉野家すごい。応援してます。

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