この本読みました。
ビジネス書の中でも、「各種データを集めて成功法則を見つけたよ」タイプの本に対して
「そもそものデータが間違ってるよ」とメタクソにこき下ろしている本です。
日本で有名な本としてはベストセラーにもなった
「ビジョナリーカンパニー」の間違いが指摘されています。
主な要因としては「ハロー効果」というもので、
人は目に見える全体成果により詳細の評価も決めてしまうというもの。
業績のよう企業に対して評価をする時は、
経営者の人格もよく見えるし働きやすい職場に見えるしリスクテイクも積極的に見える。
その企業に関連するインタビューやアンケートはハロー効果の影響を大きく受けているので
それらを集約し統計的な調査をしたところで意味が無いというものです。
しかしなぜそれが世の中に受け入れられ評価されているかというと
「成功法則に則ってちゃんと経営すれば成功する」という単純明快なストーリーが
読み手を気持ちよくさせて人気が出た、というもの。
結構納得でした。
ビジネス書は「役に立つ」というお題目を掲げつつ
実の所は読者を気持ちよくさせるというのが隠れた目的というものは多々あります。
ビジネス書から本当に役に立つものを得たいのか、
読んでて気持ちよくなりたいのかは人それぞれだと思いますが
それを見分けるメタ感覚を持つには良い本だと思います。
ただ、アメリカの本によくあるように同じ主張をするために
ひたすら具体例が書かれていて非常に長い本です。
言っていることはそれほど多くないので
エッセンスだけが欲しい人はネット上にあるレビューをぐるっと一周すれば
その方が効率的かもしれません。
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