ビジネス.

経理の考え方について書かれた本を以前読みました。
困った事に本のタイトルを失念してしまったので
本を読んで得た事だけ書いてみます。

会社を経営するうえで決算処理をし、
財務諸表を作るのは義務です。
それらを元に税務申告をする必要があるからです。

そして株主や社会に対して経営状態を報告する必要があります。
特に上場企業などではこれらの発表を元に株主が投資判断をするため
非常に重要な数字になります。

日本ではひとつの決算書類を用いてこの2つの役割を果たします。

 え?そんなの当たり前じゃないの?

そう思いませんでした?
私もそう思ってました。

経営をする上で非常に重要な仕事に経理がありますが、
経理には決められたルールがありそれに沿ってお金の流れを記録し
1年分をまとめたものが決算処理されます。

みんなが当たり前に覚えて使っているこのルールですが、
何を基準にして決められているのでしょうか?

答えは税務署が税金を取るという視点で作られたルールです。
とりっぱぐれの無いようにいろいろと考えられています。

さて、株主や経営者が経営状態の判断をするためには
現状を数値化することが重要です。
経営とは決断の連続で、その基準として数字が必要だからです。

そのために財務諸表が役に立ちますが
それを作成するための基本ルールが経営判断のためではなく
税金を納めるために作られたものだとしたら
正確な経営判断ができるのでしょうか?

具体的に例を挙げると、
例えばある設備の購入費が1000万円であったとして
税務処理としては一旦資産にあげてから原価償却します。

これが10年で償却するように決められていれば
毎年の経費として落ちる額は小さくなり
決算での利益が上がり課税対象が多くなります。税務署はお得。

しかし、ビジネスの進展スピードがそれよりも早い場合は多々あります。
実際には5年経てば再投資して設備を変える必要があるかもしれません。
その場合には実質の財務諸表の数値は大きく変わってきます。

本当はその資産の価値はどんどん失われているのに
貸借対照表を見ると10年間はその設備は価値があるように見えてしまいます。
これはちょっと怖い。

納税のための財務諸表を作るだけではなく
「本当の」経営状態を把握しておくことで
常に正確な経営判断ができるようにしておきたいですね。

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