この本から
面白かったです。
現在日本で起こっているデフレを
人口統計などを用いて分析している内容です。
読後にネットで調べてみると
デフレの原因と判断している内容には無理があると
批判もされているようでした。
ただ、政治家や官僚などではないので
デフレの原因は特に興味もなく、
未来を予測する上での現状分析として非常に楽しめました。
印象に残ったのは、数字上の景気が良いと言われていた昨今でも
庶民には全く実感がないということについての分析です。
景気が良いというのは企業が大きな利益を確保できたということで、
その利益は株主に行きます。
日本の株主は高齢者富裕層が多く、
その人達は現状での消費意欲が薄く
将来のさらなる老後に備えるため貯蓄をし、消費が喚起されない。
一方、企業にとって削るべきコストである人件費は削減され続け
それが原因で若年層の所得は上がらない。
若年層は所得があがれば消費意欲はあるけど、そうではないので消費が起こらない。
ということで、国内で消費が起こらない状況になっているので
国内の幅広い企業が利益を確保しづらくなっていて
個人所得(給与)もあがらないという悪循環だとか。
こういう状態になったそもそもの原因として
庶民も豊かになっていく実感が伴っていた高度経済成長期では
人口ボリューム全体が増加傾向にあったので消費が全体で増加し続け、所得と消費の循環が機能していたと。
逆に言えば、人口問題はすぐには改善できないことなので
長期的に考えると今後国内の需要は減少していくばっかりで
制度のゆがみにより医療・福祉負担で国全体が苦しむという、胃が痛くなるような内容でした。
内需の減少というのはどうやら避けようがなさそうなので
それにどう対処していくかというのが
個々人の戦略にも必要になってくると思います。
僕が思う個人での方向性としては
・お金が回らなくても豊かに暮らせる省エネ路線
・海外(特に人口増が続きそうな国)へのサービス提供による外貨獲得
のどちらか(もしくは両方)が必要になるのではないでしょうか。
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