読書.

先日読んだ不道徳教育から。

社会的には非難の対象となりがちな人たちに対して、
その非難は筋違いであって
その人たちは社会的にとても貢献しているということを説明する本。

かなり極論なので人によっては受け入れがたい内容かもしれませんが
通常とは反対側の視点で物事を考えることで視野が広がるといった意味では
一度目を通しておくと考えが変わるかもしれない良書かなと思いました。

その中で印象に残ったのが、先進国による海外援助プログラムについて。
貧しい国に援助することは良いことだと一般的には全面賛成されそうな内容ですが、
そうではないとのこと。

例えば、食べ物が不足している発展途上国に援助物資として大量の農作物を届けること。
食べ物が届くことは良いことですが、それによりその国で農作物を生産していた事業者は
海外からの無料もしくは超低価格で良質の商品が届くことにより自分の作物が売れません。
結果としてその国での市場を破壊することになり、自分で成長することができなくなってしまうのです。

たとえて言うなら自分が勤めている会社の製品と同等もしくは良質の競合製品が
いきなり海外から無料で市場に供給されるようなもの。会社はつぶれてしまいますよね。
そうして国内の供給がなくなったら、もう海外からの援助に頼るしかなくなります。

これを読んでいたのと同時期に、私が大好きなTV番組「情熱大陸」で
貧困国と言われるバングラデシュでバッグを生産している方が出ていました。

その中で、スタッフとして働いている現地の人のコメントが
前述の内容と同じものでした。
だいぶ前に見たものなのでうろ覚えですが、だいたい内容としては

「無償で物資をくれることは恵んでもらおうという人を増やすだけで
本当に国を豊かにするには自分達の力で価値を作れるようにならないといけない。」

というようなもの。
理屈じゃなくて、現場の生の声としてもやっぱりそうなんだ、と説得力を感じました。

援助自体が悪いとは思いません。必要な援助もたくさんあります。
でも長い目で見た時に必要な援助は何かを考えることは大切だと思いました。

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