知っておきたかった能力開発のコツ
努力の成果を最大化するための知識としては
早くに知っておけば良かったと思う内容でした。
アメリカの医学博士が書いた本です。
かなり専門的なことについて書いてあるのですが最初の事例が強烈でした。
ある体育教師が始めた0時限体育
それはアメリカの体育教師の思いつきから始まります。
体育の授業で実施していたチームスポーツ、野球やアメフト、サッカーなどでは
個々の生徒を見ると順番待ちなどで何もしないでいることがとても多いことに気づきました。
そこでカリキュラムを変更し、有酸素運動に重点を移すべく
長距離走を取り入れました。
生徒や親からの評判は悪かったものの継続します。
その中で、個々の運動能力の差により評価をするのではなく
努力により評価される仕組みを求めるようになりました。
その解決策が、「心拍数」でした。
評価の基準が、運動能力に大きく依存するタイムなどではなく
自分にとっての負荷が反映される心拍数になったことで
努力を認められるようになった生徒たちは継続して運動を続けるようになりました。
それが発展し1時限目の授業が行われる前の時間に運動が行われるようになりました。
ランニングだけではなく、クライミングウォールやエアロバイク、身体を動かして踊るゲームなどです。
これらの運動が0時限体育として定着したのです。
運動がもたらした効果
「体育」を、スポーツを体験するものから
生徒が健康管理を学ぶためのものに変えることとなったこの取り組みは
様々な効果をもたらしました。
まず想定通りのものとして生徒の健康状態が大きく改善されました。
アメリカでは高校生の30%が肥満と診断されますが
その学校では肥満と診断されたのはわずか3%で、驚異的な数字となりました。
そして注目すべきはもうひとつの効果です。
健康状態、運動能力だけでなく
学力も飛躍的に向上したのです。
この理由をさぐるべく著者は多数の論文や実験結果を引用して
本書で様々な分析をしています。
ただ、「ニューロン」「BDNF」「ミラクルグロ」「IGF-1」「VEGF」など
聞きなれない専門用語を多数使っているので
なかなか理解に苦しみました。
そこで、私が勝手に解釈した例えでお伝えします。
器を広げる運動
人間の能力を入れるひとつの器があるとイメージしてみてください。
勉強でも仕事でも様々な能力が必要とされます。
記憶力、集中力、コミュニケーション能力、論理的思考能力などです。
学習や仕事を通じてそれらの経験値を器に貯めこむことでその人の能力が決まります。
この本で新たにされたものとして、
運動がこの器を一時的に広げる効果があることがわかりました。
器が広がればそれだけ経験値を貯めこみやすくなるので能力は高まります。
しかし単に運動をするだけでは一時的に器は広がるものの
広がった部分を使わないとまたもとの大きさに戻ってしまいます。
単に運動ばかりしている人がどんどん有能になるわけではないというのは納得できると思います。
ではどうすれば良いかというと
運動をすることで器を広げた上で、その広がった部分にすぐに経験値を投げ込んで
元に戻らないようロックするのです。
具体的には、ランニングなどの有酸素運動で器を広げ
その後でヨガやウェイトトレーニング、武術などの複雑な運動をします。
エアロビや動き続ける少人数制のサッカー・バスケなど有酸素+複雑を同時にやるものでも良いとのこと。
最初に投げ込んだ経験値は運動系のものになりますが
広がった器には他にスペースが充分にできていますので
普段の学習や仕事により得られた経験値をそこに格納できるという仕組みです。
今までとこれから
上記の例で言うと、スキルアップするために様々な努力をしていても
運動を組み合わせていなかった場合は
小さな能力の器に無理やり経験値を詰め込もうとしていたということになります。
経験値が入るスキマを探す手間がかかったり、新しい経験値を入れることで
元々入っていた経験値が押し出されてなくなってしまう、
といったイメージかと。
逆にしっかりと運動を組み合わせていたら
新たに経験したものがどんどん自分の中に吸収されて
努力に比例して非常に効率良く能力が高まっていくということです。
これはしっかりと運動を組み込んだライフスタイルへの変更を決意するに
十分な理由になりました。
必要な運動量
ちなみに能力を高めるために適切な運動量というのは調査中とのことですが
少ないと効果がないということはなく
身体を壊すレベルにまでいかなければ運動はハードであればあるほど効果が高そうとのこと。
また、運動を強制されてイヤイヤした場合は望む効果が全く無いことが
ラットでの実験で実証されているそうなので
ちゃんと納得した上で前向きな気持で取り組むことも重要です。
個人的にはまず心拍数を測れる環境を作り
それをバロメーターとして使いながら運動を取り入れていこうと思っています。
心拍数測定
心拍数の測定器具は色々ありますね。
iPhoneと接続させるならこのあたりかと。
単体で計測したい人は腕時計形がいいですね。
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