色々と衝撃的な内容の本でした。
著者はハーバード大の教授で老化研究の第一人者。
老化というのは生き物に共通した自然現象で、避けられないものだという常識があると思いますが
研究を重ねてもDNAなどにも「老い」が生物に定められたメカニズムであるという証拠は出てこず、
「老いは病気である」という判断になったとのこと。
そして、実験としての酵母やマウスに対しては
老いを遅らせる、つまり寿命や健康寿命を長くする結果は次々に見つかっており、
また山中教授のIPS細胞をベースにした研究では一部再生までもできるようになってきており
老化防止に留まらない若返りまで現実的になってきているんだとか。
そのあたりは研究者の実験による数々の発見に加えて、
膨大な計算処理が必要なものがコンピューターの進化により
研究のスピードが飛躍的にあがっているということも要因になっているようです。
本文485Pとかなり分厚い本で情報量も膨大ですが
その中で気になった点をピックアップ。
食べる量を減らす
かなり確実に健康と長寿のためになるとのこと。
栄養失調にはならないように注意が必要。
絶えず空腹状態のため、多くの人にとって実現困難なことが難点。
ただ、それを解決するのが間欠的断食で
一定の時間だけ身体を飢えさせることで体内のサバイバル回路を始動させて
健康と長寿にプラスに働く。
方法としては
・朝食を抜いて遅い昼食をとる
・週に2日はカロリーを75%に減らす
・週に2〜3日は食物をいっさいとらない
・毎月丸々一週間を空腹で過ごす
など。
細かいやり方についての記述はなし。
アミノ酸を制限する
動物性タンパク質、特に加工肉(ホットドッグやソーセージ、ハムにベーコン)は摂取しないほうがいい。
タンパク質はできるだけ植物からとる。
ただし、怪我からの回復期などの時は肉からのタンパク質も大事。
これは残念。
僕は加工肉はあんまり食べませんが、肉好きなので。
動物性のプロテインもこれらに類するアミノ酸が豊富とのことで、
家にあるホエイプロテインがなくなったら次は大豆系のソイプロテインにしようかな。
運動をするのはよい
これは疑いの余地なし。
そして理想の運動強度としては
「高強度インターバルトレーニング」とのこと。
一息つかないと話ができないほどの強度なので
効きそうではあるけど、継続してできる自信はないです。
とはいえ、もっと軽い運動でもそれなりに効果はあるとのことなので
僕はそちらで。
寒さに身をさらす
これは意外。寒いなかにいると、身体がストレスを感じて
サバイバル回路が刺激される。
一方、暑さに関してはまだ研究がそこまで進んでおらず
どうなるかはよくわかっていないとのこと。
とはいえ、サウナ→水風呂のループなどは
プラスに働く可能性がそこそこある。
タバコは老化を早める
僕は吸わないので関係ないですが、
タバコは老化を加速させます。
副流煙の方がとくにひどいので、
タバコOKのお店とかは今まで以上に避けねば。
排気ガスなども同様に老化を加速させるとのこと。
糖尿病治療薬のメトホルミン
糖尿病の治療薬として数十年世界中で活躍しているメトホルミンという薬があり、
1錠が数セントと非常に安価で普及している。
それに、健康長寿の効果もあるのではないかと期待されている。
アメリカや日本では処方箋が必要だが、
タイなど一部の国では市販されていて誰でも購入できる。
抗酸化物質レスベラトロール
効果がありそう。
赤ワインに含まれている。(赤ワイン摂取だけでは足りないっぽい)
サプリ
NR(ニコチンアミドリボシド)や
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)といったサプリに
老化防止の可能性がある。
ただし、人間にちゃんとした効果があるかは検証前の段階。
そこからどうするか
これらは知識として身につけるだけでは意味がないので
行動に移す必要があります。
特に薬やサプリに関しては影響が大きそう。
人間にもきちんと効果があると科学的に検証されてから試したいところではありますが
人間の老化という長いスパンでの観察が必要なものだけに、結果が出るのは数十年先になりそう。
それを待つのか、賭けとして自己判断で摂取するのかは難しいところです。
著者がやっていることもいくつかかいてありましたが、
サプリとしてはNMN1000mg、レスベラトロール1000mg、メトホルミン1000mgを毎朝摂取しているとのこと。
著者の父親は70代で、メトホルミンとNMNを飲んでいるが、
服用前より元気になった気がする、というあくまで個人的、主観的な意見も書いてありました。
メトホルミンは薬なので間違いないと思いますが、
サプリは本当にその成分が入っているものかもよくわからないし
どの商品を信頼してよいものかというところから判断に迷います。
その他の
・日常的な運動+たまのハードなトレーニング
・寒さに身を晒すためのサウナ+水風呂
・空腹状態を意識的に作る
・動物性タンパク質より植物性タンパク質を優先させる
くらいはなんとかできるかな、と思うので、これらはチャレンジしてみます。
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