真面目に考える.

人の少ない時間帯のスターバックスは好きです。
ほどよいBGMとコーヒーの香りで、落ち着いて話ができるので。
そんなスタバで、先日大学生とコーヒーを飲みながら話をしたことについて。

coffee

色々と相談に乗っていると、
単位もしっかりと取り、大学生活もうまくいってそうなのに
将来に不安があるとのこと。

しかし、具体的に何か不安があるというよりは
よくわからないけど漠然とした不安があるようです。

彼はすごく真面目な若者で勉強もバイトも頑張っています。
社会人になっても上手くやっていけそうに感じられるのですが
そんな彼でさえ不安があるということが意外でした。

僕は小さいながらも10年会社経営をやってきた中で
クライアントの経営者の方と話をしたり、
また社会活動として読書勉強会をしていることで数多くの異業種の方と話をしています。

そこで感じるのは、年配者ほど先の見えない将来にも対処する自信を持っており、
逆に若者ほど不安を持っているケースが多いということ。

その原因は「個人の自由を尊重しすぎた教育制度」です。

昔は若者に対しては大人が「あれをしろ、これをしろ」と指導をしてきました。
若いウチはとにかく言われたとおりにやり、そこで経験を積むことで
自分でも判断ができるようになり、大人になっていきました。

大人になるというのは「20歳になる」でも「働き始める」でもなく
「充分な経験を積み自分で判断ができる」ということだと考えています。

しかし、現在は「個人を尊重する」ということが重視され
大学などでの自分の専門も、勤める会社も
「自分で自由に決めない」という風潮です。

個人の自由が尊重されて良いことのように見えますが
社会経験も知識もない若者にすべての決断をさせ責任を負わせるもので、
武器も持たせず、もしくは武器の使い方も知らせずに戦場に送られるようなもので、非常に可哀想です。

現在では「教育」というと「試験で良いスコアを取る」に近い意味になりますが
試験勉強の延長線上では、自分で人生を判断できる能力は身につきません。

必要なのは、「経験」や「体験」です。

中には、自分自身で考えて
様々な経験を積むことができる人もいます。

僕自身、高校生のころから「将来は起業する」と考えていたので
学生時代や社会人になってからの20代は
とにかく起業に役立つかもしれない経験を積むということに集中し、行動をしていました。

そのため将来に対しては「漠然とした不安」はなく、
目の前にある「より具体的な課題」を見ていました。

人間は何かにフォーカスしていると他のことは気にならなくなる生き物なので
やりたいことがあれば漠然とした不安というのは薄れます。

難しいのは、その「やりたいこと」を見つけるということ。
早い段階でそれが見つかる人はたくさんの経験を積むことができ、
本当の意味での大人になることができます。

しかしやりたいことが見つからず、
なおかつ指導などにより様々な経験を「させてもらう機会」に恵まれなかった人は
漠然とした不安を持ち続けてしまうでしょう。

では、具体的にどうするべきか?

それは大人がもっと若者をサポートすべき。
長いスパンで考えた人生の相談事について話を聞いてあげたり、
仕事でなくとも何か社会活動や趣味の集まりなどでも若者と話をし、自分の考えを伝えるだけでも良いでしょう。

人の体験を聞くことは疑似体験として若者の糧になります。
それは成功体験も失敗体験もどちらも。
また、大人は自分以外の周りの人間の人生体験も多く聞いてきていますが、その話も役に立つでしょう。

逆に、若者の方ももっと年配者に助けを請うべき。
特に、最初の1歩だけは若者から動かないと前に進まないケースがほとんどでしょう。

何に困っているかわからず何を相談すべきかさえも不明なことも多いと思いますが
「漠然と将来に不安がある」などでも良いです。

話をするだけでも得るものは多いし、
経験のある大人ならば「まずはこれをしてみたら?」という提案もできるはず。

不安を払拭するには、人生を前に進めることが必要ですが
どの方向に進めば良いのかがわからないと行動できない悪循環です。
大人からまず方向性の相談だけでもサポートを受ければ、かなり違います。

長年ブログを書いていると、見知らぬ人から連絡をもらうこともありますが
冒頭の彼もその一人で、最初の一歩は彼の行動からでした。
一歩目を踏み出すことで、新たな縁ができることもあります。

僕としても、こちらがわからない若者文化について勉強させてもらったり
遊び場として購入した秘密基地の開拓を手伝ってもらったりと
助けてもらっているので、ありがたいご縁です。

世代の違う人間同士がつながることは
双方にとって有意義なものになり得るので
歩み寄ることのできる文化が育てばいいですね。

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