この本を読みました。タイトル通り、人材育成の本ですが冒頭で人材育成を早急に進めるべき理由として書かれていたことが印象深かったので紹介します。
グローバル化にさらされる層
ビジネスの現場でグローバル化が進んでいるのはご承知の通り。ただ私は、積極的に海外市場に乗り込んで行く企業がそうなっていくのであって、そうでない会社にはまだまだ遠い話だと思っていました。しかし、どんな企業にもグローバル化は迫っているようです。
営利企業であればビジネスの効率化は常に進めるもの。効率化のひとつが業務のアウトソース。固定費を抑えリスクに強くなりますし、社内リソースをコアコンピタンスに集中できます。
アウトソース可能な業務というのは平均的な職務能力を持った大多数の従業員が行っています。その人たちは海外の安い賃金で働く人たちと競合することになってしまいます。競合対象は下記でしょうか。
- 社内の社員
- 国内のアウトソース先
- 海外の日本語対応しているアウトソース先
人材育成の本なので、その後の流れとしては市場の価格競争に巻き込まれない優秀な人材を育てることが従業員のためですよ、というお話が続きます。
グローバル化についてもうちょっと考える
書籍そのものも面白かったのですが、このグローバル化の流れについて色々と考えました。ネットの仕事をしていることもあり、ビジネスにおいて物理的な距離が近いという価値が減少していることを感じているからです。
ネット上のコミュニケーション手段はどんどん高度化しています。メールはもちろん、音声通話やテレビ電話もほとんどコストがかからず隣の部屋でも地球の裏側でも簡単に行えます。もちろんオンラインだけではできない業務はなくなりはしませんが、オンラインで完結できる業務がかなり増加しています。
そうなった時に、アウトソース先を海外にするということのハードルは言語の問題です。日本語(と文化)に対応したアウトソース先はその分付加価値が高まりコストも高くなります。
一方で、英語でのアウトソース市場は巨大であるがゆえに効率化され、サービスの質は高くなり価格は安くなるはず。そうなると、日本国内で完結するビジネスであっても前述の選択肢に加え、下記が追加されます。
- 社内を英語化することで海外のアウトソース先をそのまま利用
営利企業は最も効率の良いものを選ぶという単純な経済原理により、この最後の選択肢が選ばれることがどこかのポイントで一気に増えるのではないでしょうか。
「一般的な業務」を英語化することのメリットが多大になれば、大小問わず日本中の企業で関係ないというところはなくなります。隣の競合企業がいつの間にか英語化して競争力をつけているというケースも珍しくなくなるかもしれません。
グローバル化は思っていたよりも早く訪れるのかもしれません。こんなことも想定して長期戦略を考える必要がありますね。
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