この本から。
他の生物同様に人間には相互扶助の行為が
本能として備わっています。
でもそれが社会的にあまり機能していません。
その原因をこの本では国家などの大きな組織が
機能を吸収してしまったことが原因と書いてあります。
昔の集団では人々が集まって暮らしている中では
生きるためにお互いが助け合う必要がありました。
しかし、集団が発達して国家となった現代では
分業化が進み、目に見える範囲での助け合いが不要になってきています。
具体的には、納税や法律遵守などの国民としての義務を守れば
助ける側の行為は個人の代わりに行政がやってくれます。
それにより、隣人に何か困ったことがあったとしても
直接自分が何かをする義務はなく、
せいぜい行政サービスを紹介するくらいで後はそちらにおまかせというのが常識。
過去に比べて非常に合理的・効率的であり
他者からの助けに応えなくて良いということは
非常に大きな自由をもたらすことです。
しかし一方で、目に見える形での助け合いがなくなり
本能としての人を助けるという充足感を満たす場がなくなり
またいざというときに助けてもらえるという安心感がなくなっていることも。
最近では世の中に対して閉塞感を感じている人が増えていると言われますが
このようなことも原因のひとつかもしれません。
生活の中の一部分でも良いので
目に見える形での相互扶助グループなどを作ることができれば
参加者の人達は豊かに暮らすことができるのではないでしょうか。
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