写真・カメラ.

カメラマンの知人から紹介を受け、写真の著作権と肖像権のセミナーに行ってきました。私はカメラマンではありませんが、ウェブの仕事をしているとこの辺の知識も必要になってくるので勉強で。(法律の専門家ではないので参考程度に)

結局はグレーゾーンだらけ

何がOKで何がダメかの線引きを知りたいと思っていたのですがやはりはっきりした線引きをすることは難しいらしく、もしクレームを受けたり裁判などになった場合に備えて法律を知っておきましょうというスタンスでした。難しいものですね。

著作権について

写真を取り巻く権利もデジタルメディアの急速な普及でかなり変わってきているとのこと。法律などは昔ながらの印刷物などを想定してできていますが、デジタルメディアではその基準で判断できないことも多く混乱が生じているようです。

書籍などの電子化については関係する著作権保持者が少ないため個別に相談できますが、雑誌は1冊にカメラマンやライターなど数百人の権利者がからむので個別の確認が困難なんだとか。なので業界団体でガイドラインを設けて一定の基準にしているそうです。

ウェブサイトや電子書籍など印刷物以外の写真利用が急速に増えていますが、それに対応するために著作権を出版(?)側に移す契約を迫られるようになっており、現状では仕事を取るためにそれを断れないことが問題に。

著作権にもいろいろあります。譲渡もできる財産権としての「著作権」と、著作者の人的利益を保護する譲渡などはできない「著作人格権」があります。著作権ごと写真を買い取れば自由に使えますが、トリミングをするなど創作物に手を加えると譲渡できない著作人格権に属する同一生保持権を侵害する可能性があるとか。デジタルメディアでは媒体によって写真を加工することはよくありそうなので注意が必要だと思いました。

肖像権について

勝手に撮影されたり、写真を公表されたり、写真を利用されたりすることから保護されるための権利です。

これについてはパネルディスカッションでかなり議論が起こりました。肖像権は人だけではなくモノにも発生するので、もうなんでもかんでもになってしまいます。写真を撮影する方からしたら大問題です。

撮影に関しては本人から許可を得ればもちろんOKですが、公表ということではどういう使い方をするかまでイチイチ確認は難しいので悩みどころ。

群衆撮影に関しては全員に許可を取るのは不可能。昔は細かいところまで見えなかったので問題にされにくかったがカメラの性能があがったのとデジタル化で部分的にズームができるようになり、群衆写真でも個人の特定が可能なケースも。現在では論点が個人が特定できるかではなく、その写真の持つテーマに個人が意味を持つかになってるとか。

子供の写真を撮影する時は親に許可を取るが、中学生高校生でも親の許可がいるか。法律上の責任能力などは20歳からだが写真の許可などは中高生くらいでも判断できるから、本人の許可で大丈夫な可能性が高い。

トラブルは事前の準備で防ぐ

自分の周りは権利だらけなんだなと改めて感じました。仕事で写真を取り扱うこともあるのでどんな法律があるのかをある程度知っておき、権利侵害やトラブルを避けるよう準備しておくことが必要ですね。

広島ブログ

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8 Responses to “写真の著作権と肖像権を勉強してきました”

  1. 柿辰丸

    私も参加したかったなぁ~。デジタルの世界では本当グレーですよね。
    「悪口書いてないからいいだろう」とか「youtubeにあったから借りただけ」とか安易に表現してしまう(私もその1人ですが・・・)また、自分自身に置き換えた場合、本人OKでも事務所NGとかありますしね。難しいです。

    • 江島

      グレーは本当に多いですね。変化が激しいので法整備も難しいでしょうし、個々人がちゃんとした知識を持つことが大切になってきそうな気がします。

  2. 今村久仁生

    私も興味があります。
    フィルムの時代はある程度1社1度限りとか使用方法を限定みたいな紳士協定のようなものがありましたが、この数年、出版社も経営が厳しくなりデジタル化とともに、そしてデジタルデータという性質も加わりどんどんなしくずし的に基本的に著作権放棄してくださいみたいな感じになってきました。知らないところで使われてたって話も最近はよく聞きます。

    ストックフォト(フォトライブラリー)に写真を預けていますが、個人情報保護法以後、肖像権もうるさくなり、基本的には、誰か特定できる場合はモデルの誓約書が必須に。

    余談ですが、後、京都の超有名なお寺とかの場合、許可を取って使わないと(許可を得て撮影した作品でないと)商用ページで使うと損害賠償を請求される場合もあります。

    • 江島

      変化が激しすぎて出版社側もどういう使い方ができるかまだわからず、丸ごと権利を受け取るしかないんですよね。出版社側の立場も理解できるので難しいところです。
      京都のお寺の件はセミナーでも議論になっていました。肖像権ではなく、入場券購入時の注意書きによる契約違反とかでストップかけてるみたいですね。

  3. ツユマメ

    ブログに群衆写真を載せたい時とかすごく気を使います。
    基本、載せないほうが無難なのはわかるんですが
    どうしてもイベントレポとか、人を入れずに雰囲気を伝えるのが難しいので。
    あと、web上でお客様の声的に使わせていただいている
    木工教室参加時の写真とか・・・
    ネット掲載の許可は最初から得ているものしか載せていないですが
    それをチラシなどの紙媒体に載せたくなった時
    またはさらに、雑誌などに載せたいとメディアからいわれた時など。
    全員にまたお電話して許可を得たり・・・いろいろ大変です。

    • 江島

      手間をかけてちゃんと許可を取ってるんですね。
      さすがです。
      お客様だと特に気を使いますよね。
      写真は人が写っていたほうがやはり場のイメージが伝わるので使いたいですよね。
      なかなか難しいです。

  4. つぶ

    検索でたどり着きました。長文すみません。
    私は素人ですが、TVの「主婦でもちょっとしたお小遣いを稼げる」みたいな番組でストックフォトを知り、さっそく始めてみたのです。
    自分の手作りのぬいぐるみを被写体にして、自宅内で撮影するには問題ないのですが、例え自宅の庭の花を撮影しようにも、その花に「この花は、登録・・・なので、刺し芽などで増やして販売することは許可されてません」などというタグがついてたりすると、写真を撮影しても販売するのは問題があるように思えて、控えてます。
    風景だって、数軒の個人宅の屋根が写り込んでいたら、占める大きさの範囲(割合)や、拡大すれば所有者を特定することができてしまうのだろうか?とか(所有者は自宅の写ってる写真を公表されたくないかもしれないので)、ビルならビルで平凡なビルであってもデザイン設計者の許可は必要なのか?とか。
    個人的な観光旅行で行った、北京の故宮で撮影した写真は、中国政府の許可も必要なのか?とか。
    訴訟大国と噂される某国に観光旅行した時の写真だって、どれがよくてどれが許可が必要なのかがわからないんです。
    ただただ、私たちにわかるのは「撮影禁止」の看板の有無くらいです。
    お店などでは、「撮っていいですか?」と聞いてからシャッター押してますけど、質問された人からしたら、ただの日本観光客としか思ってないでしょうか、まさかその写真を販売されるとまでは・・・。
    かといって、事前に正式に許可申請してから、撮影会のように大掛かりにするのは、それだけの値段がつくものではなし。わずか数百円程度のストックフォトにそこまで経費かけられません。
    城の写真なんかで、役所の管轄にきいても、「その程度の値段なら、まあ、(何も申請しなくて)いいんじゃないですか」っていう人と、「年に2度しか来ない神社の宮司に問い合わせろ」という人と様々です。
    TV番組で、「気軽にお小遣い稼ぐ!」って感覚はやめてほしいですね。とりあげるなら、想定できる問題も放映すべきです。
    多くの素人はあまり深く考えてないと思うので、相談できる先もなく困ってます。

  5. そら

    著作権、肖像権はほんとに難しいですよ。
    京都のお寺の写真は原則、広告使用不可です。(京都旅行は可)
    教科書、学術関係に使うにしても使用料が高いんです。
    その上、地元のカメラマンと付き合いがあり、お寺さんから
    写真が出てくることも多いです。(別料金)

    最近はフォトライブラリーで写真を売ってくれる事もあり、
    流行ってますが、見ると使うと危ないと解るものもたくさん見られます。
    昔、仕事で青山で撮影中に「イッセイミヤケ」のお店の人に
    映らないようにしてください。
    といわれました。ブランドのお店も危ないです。

    商用使用の場合は、はっきり商用と伝えておかないとトラブルになります。

    観光地のお寺、お城には大体、撮影、使用の申請書があります。
    大手のフォトライブラリーも、使用に関してはそちらで許可をとってください。となってますよ。